kino's blog

東電福島第一原発事故に関する事柄を中心に、雑感などを書き残していきます。 ライター・木野龍逸(きのりゅういち)のブログです。「検証 福島原発事故記者会見2ー収束の虚妄」(http://amzn.to/YxZqdi)

使用済み燃料の共用プールで原因不明の水溜まりが発生

使用済み燃料を大量に保管している共用プール建屋で、水溜まりを発見という連絡が、規制庁からありました(4月22日午後4時57分)。

東電からは、なにも連絡が入っていません。

分析の結果、共用プール(使用済み燃料プール)の水ではないということになったけれども、どこから漏れてきたのかは調査中。

要するに、地震でどのような影響があったのか詳細に調べ切れていないということになります。

原子炉建屋に大量に地下水が流れ込んでくるのも、東電は、配管などの貫通部から入っていると主張していますが、調査したわけではありません。同じくらいの可能性としては、建物の地下部分に損傷があったことも考えられますが、東電は損傷してないことを前提に対策をとっています。

けれども現場は線量が高くて調査などできないので、東電の主張を覆す物証が出てくるとしても、ずっと先の話でしょう。それまでは、地震の影響はなかったことになりそうです。けれども、こうして共用プール建屋で原因不明の水溜まりができるというのは、不安を大きくさせます。

どうも東電の「大丈夫」「影響ない」から始まる思考の積み重ねが、対策を後手後手にしてる気がしてなりません。島第一原発がいまのような事態になったことから、あまり学んでないのでしょうか。根拠なく、最悪の事態を排除することから考え始めるという東電の思考回路が、多くの人たちを不安にさせ、事故や危険を誘発してると感じます。今でも、です。

 

(以下、規制庁からのメールを引用)

(続報の後半に、第一報の内容が記載されています。)

本日発生した使用済燃料共用プール建屋内での水たまりについて東京電力から追加続報がありましたので、お知らせします。

○たまり水のサンプリングの結果、放射能レベルは以下のとおり。
セシウム134:3.0×10のマイナス1乗ベクレル毎立方センチメートル
セシウム137:5.6×10のマイナス1乗ベクレル毎立方センチメートル

○水たまり周辺の床の表面線量は、以下のとおり。
セシウム134:3.5ベクレル毎平方センチメートル
セシウム137:7.6ベクレル毎平方センチメートル

○使用済燃料共用プール水に含まれる放射性物質(コバルト60)は、たまり水では検出されず。

○こうしたことから、東京電力は水たまりは雨水や地下水が隣接する建屋の接続部からにじみ出たものと推定。

本件については、特段の異常がない限り、本報をもって最終報といたします。

(第1報でお知らせした内容)
===================================================================================================================
本日(21日)、東京電力から福島第一原子力発電所使用済燃料共用プール建屋において水たまりを発見した旨、連絡がありました。

たまり水は建屋内にとどまっており、海等への流出はありません。

また、共用プール水位及び温度に変化はありません。

○本日(21日)12時30分頃、作業員が使用済燃料共用プール建屋1階の床面に水たまりを発見。

○水たまりは2箇所あり、それぞれ約3メートル×約4メートルの大きさで、深さ約1から2ミリメートル。

○水たまりの表面線量はバックグラウンドと同じレベル。

○点検の結果、隣接する建屋の接続部から水がにじみ出ているのを確認。

○雨水や地下水の可能性も考えられるが、現在、たまり水を採取して分析中。

本件について現地保安検査官が現場確認を実施しています。

引き続き、追加情報が入り次第、ご連絡いたします。

以上